2013年3月4日月曜日

刀剣手入れ

毎年、年に季節の変わり目には刀剣の手入れを行います。

今日は天気も良かったので、日頃居合で使わない
日本刀をまとめて手入れしました。



































刀剣は鉄の塊ですから保存が悪いと、当たり前ですが錆が出ます。
そのため、空気と触れないように油をひいておく必要があるのです。

使わないときは白鞘(しらさや)という朴の木(ほおのき)を何年も
寝かせた木でできた休め鞘に入れられています。

ヤクザ映画の「ドス」ってやつですねww。
実際には鯉口も切りにくいし、柄も弱くてバランスも悪いので
戦うことは難しく、映画のなかの世界だけだと思います。















































伝家の宝刀 菊池住惟忠作 「来国光」太刀写し

































刀身はこの様にして
拳を叩いて抜きます。





































綺麗な樋の角留(カクドメ)



















ハバキの収まりも綺麗です。
















ハバキとは刀の鍔元に付ける金具で、実は日本刀は
鞘の中でこの金具のみで支えられており、空中に浮いた状態に
なっていて、鞘とは全く触れていないのです。


金剛兵衛盛高作 「来国光」写し 大小 短刀


















よく時代劇などで見かける、この「打ち粉」ですが、
これは砥石の微細粉で、刀についている古い油を除去するためのものです。
このあとまた新しい丁子油をひきます。






















樋(「ひ」彫り物)


表に素剣(すけん)を彫ってあります















裏面には護摩箸(ごまばし)
日本刀の彫り物は主に宗教的意義を持つものがほとんどです。



こちらは
短刀 「信国」







この短刀は梵字を彫り込んであります。














信国は南北朝から室町初期頃の刀剣で
この短刀は重ねが薄く、フクラ枯れた造りとなっています















茎(なかご)の目釘穴は轆轤(ロクロ)ではなく鏨(タガネ)
で開けてあり、時代の古さを感じます。
ハバキは台付きです。





















数百年経っているとは思えない美しさです。






















良い刀は白鞘も手が込んでいて鯉口も角口(ツノくち)といって
角を用いてあり、目釘穴も鳩目(はとめ)という、これまた
角をはめ込んであります。
白鞘からもこの短刀の良さがうかがえます。




刀っていいですね。



























次の世代にも伝えていくべき日本の文化だと思います。

0 件のコメント: