「ZUNOW」の紹介。
ZUNOWとは、1965年創業の大阪市にあったフレームメーカーで
非常にオリジナル製が高く。芸術的で且つ実戦的なレーサーを造り
イタリアンバイクにも劣るところの無いブランドでした。
「ZUNOW レプトンファニー24」
この、極端に前傾したファニーバイクという形のレーサーは、
80年代エアロブームと共に流行り、各メーカーがこぞって
作成していました。
このバイクは当時のもので、とても美しく。
フレームパイプやラグの形状など、随所に芸術性を感じます。
独特な形をしたフィン状の処理
ラグと一体化しています。
ZUNOWのシンボル「ハミングバード」(ハチドリ)を
イメージしたフォーククラウンへの彫刻
こういった細かな細工とデザイン性の高さに、
多くのサイクリストが惹かれました。
ZUNOWのもう一つの特徴は、オリジナルのパイプシステム。
やわらかく湾曲したトップチューブ
BB周り
これは、「ホーンシステム」といわれた下に向かうにしたがって
管楽器のように太く広がっていくシートパイプ。
太くすることでBB周りの強度を上げるためと思われます。
チェーンステーにブリッジは無く
BBのラグがフィン状になっていて
強度を保っています。
↑↑
同じく「ペンタグラステー」
写真では分かりにくいですが、名前の通り
チェーンステーのパイプの断面が5角形になっています。
これにより各方向からの曲がりやねじれを防ぎ、剛性を高めています。
ブレーキワイヤーなどの
ワイヤー類は全てフレーム内蔵
シートステーは
当時珍しかったモノステー
このリヤのステーの繊細さとクリアランスがたまりません。
BB裏
彫刻や肉抜き、塗装に至るまで手抜きがありません。
ここにもハミングバード
ZUNOWは派手なカラーリングと手の込んだ造りで、
当時から、特に海外の評価が高く、トライアスロンなどでは
外国人が好んで試合で使っていました。
コンポは当時の7400系デュラエース7sフルセット
ホイルは前後24インチのチューブラー
サドルは名品のスペシャルターボをチョイス
ハンドルはデッドストックの
マビックブルホーン
この自転車にはベストマッチと思います。
これもワイヤーは内蔵
当時ビルダーだった影山氏は随分前に引退された為、もう新たに
フレームを手に入れることは出来ませんが、非常に完成度と芸術性の高い、
世界に誇るフレームビルダーだったと思います。
ちなみに
ロードバイクで有名なナカガワサイクルワークスの中川茂氏は
このズノウ製作所の出身です。
ナカガワのプロミネンスなどのロードバイクを見ると、やはりZUNOWに
似たこだわりを感じられます。
美しい処理と新規NJS登録で有名な「m-idea」(エンメイデア)のビルダーもたしか
ズノウ製作所出身だったと思います。
いつかナカガワプロミネンスやエンメ・イデアにも乗ってみたいです。